世界イタリア語週間の機会に、主著『婚約者』を通じてイタリア語に大きな影響を与えたとされ、今年没後150周年でもある作家アレッサンドロ・マンゾーニの言語について紹介してみたい。マンゾーニは詩や韻文の悲劇を書いた詩人で、文学や言語に関する論考も執筆しており、家族や友人たちに多くの手紙も書いているが、ここでは特に、ミラノの作家マンゾーニが、フィレンツェで話される生きた言葉で書こうとした小説『婚約者』の話に的を絞りたい。
動画のご視聴はこちら。
霜田 洋祐
1984年生まれ、大分県出身。大阪大学大学院人文学研究科講師。専門はイタリア近代文学。主な著書に『歴史小説のレトリック:マンゾーニの語り』(京都大学出版会、2018年)。『イタリアの文化と日本――日本におけるイタリア学の歴史』(共著、松籟社、2023年)などがある。