『明治期のイタリア留学 文化受容と語学習得』は、1873年から1887年という日伊交流の黎明期に、トリノとヴェネツィアに留学し、文字通り命を懸けて己の道を模索した日本人学生に関する近年の研究をまとめた著作です(日伊交流150周年記念)。
明治期の若者がいかに真摯に人生と向き合っていたのかを語ります。
第1回(2017年4月13日)は、12歳でトリノのイタリア国際学院に入学し、未知のイタリア語を習得しながら常にトップを歩み続けた井尻儀三郎と、同じく国際学院に学んだ後にヴェネツィアの高等商業学校で日本語を教え、ヴェネツィア女性と結婚間もなく異郷に斃れた緒方洪庵の第十子惟直を紹介します。
ついで、第2回(4月20日)は、また、アメリカ・パリを経てヴェネツィア美術学校で絵画を学び、当時のヨーロッパ人画家に伍して新しい美術を模索した川村清雄と、同じくヴェネツィア美術学校で彫刻を学び、優秀な成績を上げて帰国後に、東京美術学校(現東京藝術大学)初の洋風彫刻教授となった長沼守敬を扱います。
プロフィール
石井 元章 (いしい もとあき) 1957年4月18日群馬県前橋市生まれ。
東京大学法学部第一類、東京大学文学部イタリア語イタリア文学科卒業、東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美術史学専修課程修士課程、および同博士課程1997年修了(文学博士)。1990年イタリア政府給費留学生としてイタリアに留学、ピサ高等師範学校大学院文哲学コース2001年修了(文学博士)。武蔵野美術大学講師、大阪芸術大学助教授を経て、2001年より同大教授。専門はイタリア・ルネサンス美術と明治期の日伊文化交流。
主著:『ヴェネツィアと日本 - 美術をめぐる交流』ブリュッケ 1999;
『ルネサンスの彫刻 15・16世紀のイタリア』ブリュッケ 2001; 2007;
Venezia e il Giappone – Studi sugli scambi culturali nella seconda metà dell’Ottocento, Istituto Nazionale di Archeologia e Storia dell’Arte, Roma 2004;
『明治期のイタリア留学 文化受容と語学習得』吉川弘文館、東京2017
論文: 「アントーニオ・ロンバルドの古代受容」『美術史』141(1996)、pp.92-118;
「ヴィットーリオ・ピーカとイタリアにおける日本美術批評」『イタリア学会誌』46(1996)、pp.1-28;
「彫刻家長沼守敬のヴェネツィア留学時代についての一考察 新史料に基づく再構成の試み」『SPAZIO』54(1996)、pp.20-39;
「啓示としての洗礼 トゥッリオ・ロンバルド作《ヴェネツィア総督ジョヴァンニ・モチェニーゴ記念碑》に関する一考察」『西洋美術研究』13(2007), pp.229-248;
「海馬の変容 古代、アンティーコとアントニオ・ロンバルド」『美術史』168 (2010.3), pp.308-322
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