イタリアのポストモダン文学の奇才トンマーゾ・ピンチョ氏の代表作『ぼくがエイリアンだったころ』の邦訳出版を記念し、著者本人が来日します。
『ぼくがエイリアンだったころ』(原題:Un amore dell’altro mondo/出版:ことばのたび社)は、アメリカの伝説的なロックバンド、ニルヴァーナのヴォーカル兼ギタリスト、カート・コバーンの人生に着想を得て生まれた長篇小説です。
20代をアメリカで過ごし、アメリカのポストモダン文学や1990年前後のアメリカの文化・芸術に強い影響を受けてきたピンチョ氏は、伝統的なイタリア文学の範疇に収まりきらない、越境的かつ独創的な作家として、現代イタリア文学界で独自の地位を築いています。
今回のイベントでは、邦訳を担当した二宮大輔氏、そしてピンチョ氏と親交の深い作家のラウラ・今井・メッシーナ氏とともに、これまでの活動や作品の執筆に込められた思いについてお話しいただきます。
また、トークイベント後にはピンチョ氏によるサイン会を予定しています。
登壇者:トンマーゾ・ピンチョ、二宮大輔、ラウラ・今井・メッシーナ
■イベント概要
日時:2024年10月12日(土)14時00分~15時30分 (開場:13時30分)
会場:大阪市立中央図書館 5階大会議室
〒550-0014 大阪市西区北堀江4-3-2
入場:無料
定員:300人(事前申込制・先着順)
対象:どなたでも
申込方法:インターネット もしくは はがきで受付(※申込方法詳細は大阪市立図書館HPお知らせページをご覧ください)
申込締切:10月10日(木曜日)(当日必着) インターネット申込のみ、10月11日(金曜日) (延長しました)
その他:手話通訳ご希望の方は9月27日(金曜日)までにお申し込みください。
問い合わせ:中央図書館 利用サービス担当 電話06-6539-3326
共催:イタリア文化会館-大阪、大阪市立中央図書館
トンマーゾ・ピンチョ(Tommaso Pincio)
1963年ローマ生まれ。画家を志し20代でニューヨークに渡り、現代アートに大きな影響を受ける。イタリアに帰国後、作家に転身。代表作は『ぼくがエイリアンだったころ』(2002)、『Cinacittà』(2008)など。翻訳家としての顔も持ち、フィリップ・K・ディックやジョージ・オーウェルなど、著名な作家のイタリア語翻訳も数多く手掛けている。
トンマーゾ・ピンチョという筆名は、ポストモダン文学の旗手トマス・ピンチョンをイタリア語風にしたもの。江戸川乱歩の作品を読み、彼の筆名がエドガー・アラン・ポーのもじりであることを知ったピンチョが、ローマに実在する地名「ピンチョ(Pincio)」と、トマス・ピンチョンの「ピンチョン(Pynchon)」を掛け合わせたことで生まれた。
二宮 大輔(にのみや・だいすけ)
1981年愛媛県生まれ。2012年ローマ第3大学文学部卒業。訳書に、ガブリエッラ・ポーリ+ジョルジョ・カルカーニョ『プリモ・レーヴィ―失われた声の残響』(水声社、2018)、クラウディオ・マグリス『ミクロコスミ』(共和国、2022)など。また、『翻訳文学紀行Ⅲ』(ことばのたび社、2021)に収録されているトンマーゾ・ピンチョの短編「紙とヘビ」の翻訳を担当。
ラウラ・今井・メッシーナ(Laura Imai Messina)
ローマ生まれ。小説、エッセイ、児童文学の作家。23歳で東京に移住し、東京外国語大学で文学の博士課程を修了。現在、都内の複数の大学でイタリア語講師として教鞭を執る。
代表作に、『天国への電話』粒良 麻央訳(早川書房、2022)などがある。