『蝶々夫人』は歴史上もっとも有名なオペラのひとつです。プッチーニの代表作で、今もなお定番作として公演されており、イタリアなどヨーロッパの人々の思い描く日本人像を作り上げる役割を果たしています。このオペラは東洋や異国に憧れを持つ年頃の娘にとっての規範となる一方、台本に法的関心のある話題が見られることから法学者の興味も集めました。当時の日本でアメリカ国籍を持つ男性が15歳の日本人女性と結婚することができたのか?可能だったとして、どの形式にのっとって結婚式をするべきだったのか?また、ピンカートンが考えていたように妻からただ離れるだけで、片方の意思による離婚が成立したのか?当時の法律を興味深く異色の視点からとらえながら、様々な疑問に答えます。
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ジョルジオ・ファビオ・コロンボは名古屋大学の法学部比較法政の教授で、国際商事法と仲裁を教えています。ヴェネツィア・カフォスカリ大学の日本法学部で客員教授を、イタリア東方学研究所で駐在研究員を務め、パヴィア大学、ジェノヴァ大学、立命館大学、カリフォルニア大学バークレー校、ウプサラ大学で教鞭をとり、研究を行ってきました。 彼の研究は、仲裁、ヨーロッパと日本の比較の観点からの裁判外紛争解決、国際商法、および日本の文脈における法と文学の関係に焦点を当てています。また、ミラノの弁護士でもあります。