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【講演会】「レオナルド・ダ・ヴィンチ 女性たちの”秘密”」

「レオナルド・ダ・ヴィンチ 女性たちの”秘密”」

レオナルド・ダ・ヴィンチは一般に、模範的ルネサンス人と認められている。つまり、多面性をもつ芸術家かつ科学者であり、あらゆることに関心を抱くと同時に理解しようとした。レオナルドの人生が今もなおこれほど我々の興味を引くのは、他でもなく、長きにわたる認識の探究の端緒を、他の誰よりもうまく体現し得たからである。そういった探究は、ルネサンス期以来人間活動の中でますます中心的役割を果たしてきた。レオナルドにとって芸術と科学は切っても切り離せないものであった。特に絵画は、光学や幾何学の分野で得られた知見が反映されると、それ自体が科学となるのである。

レオナルドの絵画作品の中には、技巧を駆使した野心的なものがある。《最後の晩餐》や《アンギアリの戦い》、あるいは大型の宗教画や神話画がそれである。しかし、様々な作品を総体的にみると、興味深いある特徴がある。中心となる女性の存在である。レオナルドはいくつも肖像画―モデルがはっきりしているものもあれば、未だ論争の的であるものもある―を描いているが、男性を描いたものはそのうちで《若き音楽家の肖像》一点のみである。

レオナルドの絵作品に注目すると、絵画であれデッサンであれ女性を描いたものの中には、なにか特徴的なものがある。画家とモデルの間になにか不思議なつながりが築かれたかに思われる場合もある。例えば、チェチリア・ガッレラーニの肖像画である。この肖像画では、レオナルドは個人的な好みもあり、この若い女性の特徴のうち、とりわけ、より隠れた曖昧な面を探り、描き出そうとしている。女性の姿を描くことに並々ならぬ関心を抱いていたレオナルドを掻き立てたのは、まさにこの面だったに違いない。あるいは、彼の描く女性は常に裸体のジョコンダ《モンナ・ヴァンナ》の場合と全く変わりないというわけではないかもしれない―この絵は、おそらくレオナルド自身手を加えたが、多くの人から彼の愛人と考えられている弟子のサライによって製作された可能性のある作品であり、そこには若い青年のような顔立ちで一糸まとわぬ乳房を晒す女性が描かれている―。こうした女性肖像画(もちろん《モナ・リザ》も含む)は、各々秘密やストーリー、ちょっとした謎を隠し持っている。レオナルドはこうした謎によって、時を経てなお我々を魅了しようとしたのであろう。

I segreti delle donne di Leonardo(『レオナルドの女性たちの秘密』)は2019年、中国語版が出版された。

 

プリニオ・インノチェンツィ Plinio Innocenzi

サッサリ大学材料科学技術学科教授。材料科学およびナノテクノロジー研究室主宰。2010年から2018年まで北京のイタリア大使館科学技術部長を務める。2017年、イタリアと中国の科学分野における協力発展に貢献したとして、中国の科学技術省から特別賞を受賞。
パリ第6大学、京都大学、大阪府立大学、北京化工大学客員教授。洛陽大学名誉教授、王立化学会フェロー。
専門はナノサイエンス、ナノ化学。250にのぼる論文を執筆。被引用数は8,000件、10の特許を取得し、著書は11作。
ナノサイエンスの普及のためさまざまな活動を行うほか、ルネサンス期の科学テクノロジー、とりわけレオナルド・ダ・ヴィンチの発明に関しての研究や紹介に精力的に取り組んでいる。主な著書に、The innovator behind Leonardo, the true story of scientific and technological Renaissance、The secrets of Leonardo’s women(中国語)など。レオナルド・ダ・ヴィンチに関するイタリアや日本のテレビ番組制作でアドバイザーを務める。これまで世界各地で、レオナルド・ダ・ヴィンチやルネサンス期の科学に関する講演を30回以上行う。

 

日時: 2019年 9月20日(金) 18:00~
会場: イタリア文化会館-大阪
大阪市北区中之島2-3-18 中之島フェスティバルタワー17F
※入場無料・要ご予約

◆ご予約・お問合わせ◆
イタリア文化会館-大阪
Email: corsi.iicosaka@esteri.it
Tel: 06-6227-8556

※ご予約の際は、メールの件名「9月20日講演会」、本文に①お名前(ふりがな)、②お電話番号を明記の上、上記メールアドレスまでお送りください。