戦争・紛争報道の分野で国際的に知られるジャーナリストのフランチェスカ・ボッリ氏に話を伺います。シリアにはじまりモルディブに転じていく取材から、言論の自由や報道のあり方といった根源的な問題まで様々にご提言いただき、ネット時代におけるイタリア特有のジャーナリズムとはなにか考えます。
講師:フランチェスカ・ボッリ
司会・通訳:土肥秀行(立命館大学)
聴講自由(予約不要)
フランチェスカ・ボッリ
1980年生。法曹家のアントニオ・カッセーゼに学び、人権擁護の分野にて、バルカン半島、イスラエルとパレスチナを中心とした中東地域で働く。2012年にアレッポの戦いについてはじめてルポルタージュを書く。以来書き続けた記事は24言語に訳されてきた。5年間に50万人が亡くなったシリアとイラクでいまなお暮らし、イスラエル最大の新聞、「イェディオト・アハロノト」(Yedioth Ahronoth, “最新ニュース”)紙に寄稿する。
主著に『内なる戦争の内へ』La guerra dentro(2014年刊、英訳Syrian Dust, 2016年刊)、『いったいどこがパラダイス―モルジブのジハディストたち』Ma quale paradiso? Tra i jihadisti delle Maldive(2017年刊、英訳Destination Paradise: Among the Jihadists of the Maldives, 2016年刊)
「戦争報道家という括りはあわない。確かに、シリアとイラクを報じていて、中東に暮らし、書く対象といったら爆発やら犠牲者やらだ。しかし戦争というものは、つまるところ、ミサイルや戦車に限らない。そういったものは真っ先に目に入ってくるだけにつまらない。対して、常に私をひっぱるのは好奇心で、私が語るのはいずれも「産地直送便」だ。ネットからのコピー&ペーストでも、電話取材でも、フェイスブックからの抜き書きでも、誰かがすでに語った話でもない。自らの手で摘んだ話なのだ。血の通った世界から届けられている。なにせ世界は、離れて見てしまうと、黒か白か、敵か味方か、悪か正義かでしかない。しかし近くに寄って見ると、事実はより複雑でとらえにくい。レッテルはひっくり返されやすい。アフリカの辺鄙な土地で、完ぺきなフランス語で話しかけられると、遠く離れていて無関係な場所などないのではと感じる。すると、自分の方が優れているはずもなく、問いかけをする側ではなく、問いかけられる側にいてしまうのだ。」
日時:10月28日(日)19:00~
場所:ほしぞら公民館 (沖縄県那覇市安里2-1-1)
聴講自由(予約不要)
主催: イタリア文化会館-大阪
協力: 立命館大学 国際平和ミュージアム、イタリアンカルチャー俱楽部
【お問い合わせ】
イタリアンカルチャー俱楽部 098-911-3131
URL: www.i-c-c.net