フィレンツェより詩人のエリーザ・ビアジーニさんを迎え、同じくフィレンツェ出身の詩人ダンテ生誕750周年、京都フィレンツェ姉妹都市提携50周年、さらには15年目のイタリア文化会館主催「世界イタリア語週間」を記念する場を、二夜にわたって設けます。
第一夜(11/17)では、ダンテの作品(『新生』)と、ダンテにインスパイアされた詩をビアジーニさんが朗読し、小出智子さんにフィレンツェゆかりのルネサンス音楽をリュートで奏でていただきます。
第二夜(11/19)では、ビアジーニさんが、まず自身の詩論と詩の朗読を披露し、そして作家・翻訳家である吉田恭子さんとの対談に臨みます。ビアジーニさんは伊語と英語で詩作・翻訳し、吉田さんは日本語と英語で執筆・翻訳します。お二人には、互いの創作活動について語り合い、そして観客のみなさんとの対話も試みていただきます。
エリーザ・ビアジーニ Elisa Biagini
1970年フィレンツェ生まれ。現在もなお居住するフィレンツェと、かつてアルダ・メリーニについての論文で博士号を取得したアメリカを主な活動場所とする。伊語と英語を行き来しながら創作と翻訳をなす。その詩からは、ジェンダーや身体性にまつわるテーマが色濃く浮かび上がる。エイナウディ社の詩歌叢書「白本」より、これまで3冊の詩集を発表した。順に、L’ospite『訪問者』(2004)、Nel bosco『森にて』(2007)、Da una crepa『裂け目より』(2014)。ダイアナ・ソーほか訳The Guest in the Wood 『森の訪問者』は2014年度米国最優秀翻訳書賞(詩部門)を受賞。日本で編まれた『脱原発・自然エネルギー218人詩集』(2012)に、環境をテーマとし、特に「風力」にこだわった次の短詩が収められている(原文英語)。
walls and leaves / sucking rays, / spitting suns / into soups: / our veins, / glowing like neons.
「壁と葉/刺す太陽、/スープへと。/わたしたちの血管/火照るのがネオンのよう。」(土肥秀行 訳)
小出智子 Tomoko Koide
14歳でクラシックギターを始める。高校在学中、GLC学生ギターコンクール2位、山陰ギターコンクール入選。同志社大学英文学科卒業後、会社員生活を経て、リュートを始める。これまでにリュート、リュートソングを佐野健二氏、平井満美子氏、つのだたかし氏、波多野睦美氏、ポール・オデット氏らに学ぶ。
ソロ、通奏低音、伴奏、民族楽器との共演など、関西を中心に雑多に活動中。
NHK大阪文化センター「リュートでうたうイギリスはやりうた」リュート伴奏担当
吉田恭子 Kyoko Yoshida
1969年福岡県生まれ。2014年にシドニーのヴァガボンド・プレスより短篇集Disorientalism を出版、アメリカの文芸誌を中心に短篇小説を発表している。また実験的な日本の現代詩と演劇を英訳、Spectacle & Pigsty(野村喜和夫対訳詩選、詩人フォレスト・ガンダーとの共訳)は、2012年度米国最優秀翻訳書賞(詩部門)を受賞、ほかにも吉増剛造、松田正隆、松井周らの作品、デイヴ・エガーズ作『ザ・サークル』(早川書房)などを翻訳。アイオワ大学国際創作プログラム、シドニー文学祭、ASEAN文学祭、英国ワールズ文学祭など各地の文学祭にも積極的に参加している。立命館大学文学部准教授。
〈第一夜〉
エリーザ・ビアジーニ(朗読)/小出智子(リュート)
フィレンツェの詩と音楽
―京都フィレンツェ姉妹都市協定半世紀・ダンテ生誕750周年記念
2015/11/17(火)18:00
スペース柊木(京都市北区上賀茂松本町96-4ひいらぎ眼科2F)
入場無料 予約不要
〈第二夜〉
エリーザ・ビアジーニ朗読会 &対談×吉田恭子
「わたしの詩の作法」
2015 / 11 / 19(木) 18: 00
立命館大学衣笠キャンパス創思館1Fカンファレンスルーム
入場無料 予約不要
第15 回世界イタリア語週間「音楽のイタリア語、イタリア語の音楽」関連イベント
立命館大学国際言語文化研究所 萌芽的プロジェクト研究助成プログラム
「現代イタリア文学、創造の最前線へ:詩、小説、ラップ」連続企画
主催 イタリア文化会館大阪
立命館大学国際言語文化研究所 現代イタリア文学研究会
大阪モーツァルト協会